清水 亮 しみず りょう/准教授/環境学研究系
環境学研究系/社会文化環境学専攻/人文環境学講座
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略歴

 1991年3月東京大学文学部卒業、1996年3月東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、1996年1月日本学術振興会特別研究員、1999年4月山梨大学工学部講師、2005年4月より現職。


教育活動

大学院:環境運動論、人文社会環境学演習III、都市環境デザインスタジオ
文学部:文化環境学特殊講義V,VI


研究活動

1. 阪神淡路大震災からの復興まちづくりとボランティアの実践
1995年の震災発生の年から現在に至るまで、現地調査を継続的に行っている。復興まちづくりで見られた住民、行政、ボランティア、コンサルタント等の諸主体間の関係を考察し、physicalな面も射程に含んだコミュニティ形成の条件の解明を行っている。
2. 現代の参加型まちづくり
住民参加、市民参加が議論されるようになってから30年以上経過しているが、先進事例と大多数の一般的な地域とでは大きな格差がある(特に大都市と地方)。また、近年では「まちづくり」が盛んに行われるようになってきたが、住民活動を支える仕組みや制度はまだ十分なものとは言えない。住民主導で自らの生活環境を充実させていく地域社会構築の可能性について、建築や開発をめぐる紛争事例の研究を進めながら検討している。
3. 持続可能な地域社会の可能性〜諫早湾干拓事業を事例として
諫早湾干拓事業を巡る様々な社会問題についての現地調査を踏まえて、地域社会の住民が持続的に生活を営んでいくためにはどのような要素・条件を考慮していかなければならないかについて考察を行っている。

[文献]
1) 清水亮,1995,「地域社会学における階級・階層分析」,『地域社会学会年報』Vol.7,p.149-p.167
2) 清水亮,1996,「震災復興とインナーシティ問題―住宅政策の視点を中心に―」,関東社会学会編,『年報社会学論集』Vol.9,p.25-p.34
3) 清水亮,1998,「震災復興のまちづくりと土地利用―コミュニティ復興の現状と課題―」,『地域社会学会年報』Vol.10,p.19-p.36
4) 清水亮,2000,「都市の再生とコミュニケーション」,鈴木嘉彦編,『地域と情報』,山梨日々新聞社,p.189-p.211
5) 清水亮,2002,「問題の制度的解決と非制度的解決」,『地域社会学会年報』Vol.14,p.36-p.52
6) 清水亮,2004,「問題解決過程に見る「地域の多様化」−震災復興の事例から−」,『地域社会学会年報』Vol.16
7) 清水亮,2006,「コミュニティ・リ・デザインとネットワーク」,似田貝香門・吉原直樹・矢澤澄子編,『越境する都市とガバナンス』,法政大学出版局
8) 清水亮,2006,「都市化と都市政策の展開」,『講座地域社会学3 地域社会学の方法と視座』,東信堂
9) 清水亮,2007,「開発事業に対する反対運動と被害住民の<生活の論理>―諫早湾干拓事業を例として―」,『地域社会学会年報』Vol.19,p.148-p.166
10) 清水亮,2008,「<居住の論理>に基づくコミュニティ形成―野田北部地区の復興まちづくり―」,似田貝香門編,『自立支援の実践知―阪神・淡路大震災と共同・市民社会―』,東信堂
11) 清水亮,2008,「「縮小社会」と地域社会の現在」,『地域社会学会年報』Vol.20


その他

 地域社会学会、関東社会学会、日本社会学会各会員。
 専門社会調査士。
 地域社会学会研究委員(1999〜2000,2002〜2003,2006〜2007)、地域社会学会理事(2002〜2003,2006〜現在)、地域社会学会編集委員(2004〜2006,2008〜現在)、関東社会学会専門委員(2003)、富士吉田市まちづくり専門委員(2003〜2005)、日本建築学会「建築にかかわる社会規範・法規範特別調査委員会」委員(2007〜現在)等。


将来計画

 本研究室では、実際に問題が生じている現場に出向いて調査を行い、その問題が一体どのような問題であるのか、現場で問題に直面している人々とのコミュニケーションの中から明らかにしていきます。対象とする問題にも依りますが、実際の現場に入ると問題の当事者は多様であり、それぞれに問題の捉え方が違っていることに気づかされます。「個と個」、「個と全体」、「私と公」など、様々な視点を導入することで問題を複眼的に理解していくことをまずは目指し、その上でとりわけ居住者側からの生活の論理に根ざした地域形成、コミュニティ形成、環境運動等の意味や可能性を考えていきたいと思っています。


教員からのメッセージ

 当研究室では、社会問題が生じている「現場」を重視しています。「現場」に出向き、実際に問題に立ち向かっている人々から謙虚に学ぶことは、問題の実像を知る第一歩です。環境問題の認識や解決を考えていく際に、そのような現実感覚(reality)を是非とも大切にしてもらいたいと思います。そのためには感性想像力を発揮できるよう、日頃から自らを研鑚して欲しいと思います。


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